花言葉は『隠れた美点』 「コリアンダー」

2011年6月13日

コリアンダータイではパクチー、中国では香菜(シャンツァイ)、和名ではコエンドロと呼ばれるコリアンダー。チャイニーズ・パセリともいいますね。香りに特徴があるので、ちょっと苦手という方もいらっしゃるでしょうか。好きな人にとっては、エスニックなお料理にどうしても欠かせないハーブでもあります。

コリアンダーの歴史も他のハーブと同じく古く、3000年以上昔のエジプトの遺跡から種が発見されています。また古代バビロニア時代の書字板、古代インドの書物、聖書にも記載のあるハーブで、古代から現代まで長きに渡って栽培され、薬草、保存料などとして活用されてきました。種には食欲増進の効果があり、消化を助けます。

秘めたおまじないや不思議な言い伝えを持つハーブが多いですが、コリアンダーにももちろんあります。11粒のコリアンダーの種を身につけると受胎しやすくなるというおまじない。左のももに巻くと効果があるそうです。また、おなかに赤ちゃんがいる女性が食べると、頭のよい子どもが生まれるとか。女性の方はぜひおためしください。『アラビアンナイト』では、愛のおまじないに使われています。

■ コリアンダーの利用法

身近なところでは、やはり思う存分お料理で楽しみたいところ。葉、茎、根、種すべてをおいしくお料理に生かせます。トム・ヤム・クンなどのスープ、サラダ、タイ・カレーなどのスパイシーなお料理の仕上げに、やわらかい葉の部分をたっぷりと散らすと独特の風味が増します。
一度気に入ったら、なくてはならない存在。中華風春雨サラダにあえたり、お魚のおなかに豪快につめて蒸してもおいしいです。やわらかい茎の部分はそのままサラダにしても。

ヨーロッパでは、自家製ピクルスの風味づけに種を加え、ビスケットにすりつぶした種を焼きこんで香りを楽しみます。

種をすりつぶした自家製スパイスをいつものカレー粉に加えて、特製インドカレー、タイ・カレーをつくったり、または自家製チャツネに加えてもよいですね。ラタトゥイユに加えてもおいしいそうです。

コリアンダーの花■ コリアンダーの育て方

春にも秋にも種まきできますが、おすすめは秋です。秋まきすると、翌6月には自家製コリアンダー・シードをたっぷり収穫できます。葉っぱの収穫は花が咲く前に。種をたくさん収穫したい場合は、葉の収穫は控えめにします。

発芽が難しいと思われているコリアンダーですが、ちょっとしたコツがあります。固く丸い種をそのまま蒔くと発芽率は悲しい結果に。そこで、蒔く前の夜に、固い台の上に種を並べ、その上に厚めの板(まな板でも)を載せてゴリゴリと転がし、種に割れ目を入れます。割れ目の入った種を一晩水につけて、沈んだものを選んで蒔けば嬉しい発芽率に。

じかまきして間引きながら育てても、ポットまきでも大丈夫です。一週間ほどで芽が出揃うので間引きながら育て、本葉が数枚出揃うころに肥料を与え、冬の間、日当りのよいところで育てます。寒さには強いですが、霜に負けないように増し土し、倒れないように支柱でささえてあげます。

3月ごろからぐんぐんと枝が伸びて大きくなりますので、この時期、肥料を与え、太陽にしっかりと当てることがポイントです。収穫した葉は冷凍、種は乾燥して保存できます。

コリアンダーという名前は、ギリシャ語で『南京虫』を意味するコリスに由来しています。そのとおり、白っぽい細かい花はあまりよい香りはしません。でも熟した種はよい香りがします。コリアンダーの花言葉は『隠れた美点』です。

※このコラムは、毎日新聞社さんのサイトに「ハーブの横顔」という題で、2002~2005年に掲載させていただいたものです。

カテゴリ: ハーブの横顔  |  0 Comments
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