女性を美しく 「フェンネル」

2011年6月13日

フェンネル細く繊細な葉がふわふわと羽根のように美しいフェンネル。和名では「ウイキョウ」と呼ばれています。古代ギリシャ時代から女性を美しくするハーブとして用いられてきました。体内に体液がよどんでたまるのをふせぎ、尿を通してからだの中の毒素を出す利尿効果や、お風呂に入れることで得られる刺激性の薬効は、総じてボディラインを美しくする効果につながります。「やせるハーブ」とも呼ばれる由縁ですね。

■ フェンネルの利用法と効能

消化酵素の分泌を高め、消化吸収を促進する作用があるので、消化不良、腹痛に効果があります。胃腸のなかのガスを出す効果もあるので便秘にもききます。空腹時にフェンネルの種をかむと息がさわやかになり、空腹感を抑えてくれます。

フェンネルのハーブティはいつも常備しておくとよいです。お昼にちょっと食べ過ぎたときに飲むとすっきりします。ティバッグの残り香をかぐだけでもすーっとします。

また、フェンネルの種と葉にはクレンジングと鎮静作用があります。種を細かくつぶしてパックに混ぜると、オイリースキン向きのパックに。毛穴の奥の汚れをとることができます。最近は植物抽出成分の効果を生かした化粧品がいろいろと出ていますが、フェンネルが含まれているものもありますね。

手がひどく荒れてしまったら、フェンネルの抽出液に手をつけてみましょう。皮膚をやわらかくする治療効果があります。その後たっぷりと塗るハンドクリームがよく浸透し、やわらかくつるつるの手になります。

目が疲れたり炎症をおこしたときには、フェンネルの種の煎じ液をコットンにひたして閉じたまぶたにのせると、炎症、痛みがやわらぎます。古代では、視力強化薬、洗眼水として使われたそうです。目に輝きを与える効果もあるとか。

赤ちゃんのいるお母さんにも嬉しい薬効が。フェンネルの母乳の出をよくする効果はよく知られています。こちらも古代ギリシャ時代から利用されているそうです。また、月経痛をやわらげる作用もありますので、女性の心強い味方。でも、生殖器に刺激を与える作用があるので、妊娠中の方はご使用にならないようご注意ください。

昔から女性の大切な薬だったフェンネルは、からだのなかから外から美しくなる効果を発揮してくれるのです。そして、もちろんお料理にも大活躍します。若い緑色のこまかい葉をちょっとつまんだり、刻んでサラダやチーズに。小さな黄色いお花をサラダに散らしても香りよくおいしいです。

脂肪分の多い魚料理のつめものにもぴったり。フェンネルの香りは魚料理と相性がよく臭み消しになります。南フランスのグリヤード・オ・フヌイユは、乾燥したフェンネルを使った豪快なお料理。葉や茎の乾燥したものをブランデーに浸し火をつけ、スズキなどの魚に香りを移して焼きます。お魚のおなか部分にフェンネルをつめてオーブンで焼くと、おいしそうな素敵な香りが立ち込めます。フェンネルを載せて焼くだけでもじゅうぶん。本当においしいです。

つみとった葉をオリーブオイルやビネガーにつけたものは風味ゆたかなドレッシングに。パン・ド・カンパーニュにフランスの荒塩とともにつけて食べてもおいしく、食欲がすすみます。

株元、茎、葉、種、すべてを味わえるのが魅力なフェンネル。種はソースやスープに加えたり、パンやビスケットに焼きこんで。ちょっぴりスパイシーないつもと違う香りのパンが焼きあがります。

フェンネルそして忘れてはならないのが、フローレンス種の葉の付け根部分(根茎)。白く大きく球根のようにな部分をスライスして生で食べたり、煮たり炒めたり。クリーム煮にしてもおいしいです。なんだかおなかがすいてきてしまいますね。

こんなふうにおいしくきれいになるハーブ、フェンネル。耐寒性もあり、育てやすいのも魅力です。

■ フェンネルの育て方

日あたりと水はけのよい、肥沃な土で育てます。粘土質は苦手です。耐寒性があるので、戸外で冬越しできます。フェンネルはスイート種とフローレンス種の2つに大別でき、どちらも多年草ですが、フローレンス種は白い根茎部分をおいしく野菜のように食べるので、一年草のように育ててもよいです。室内栽培には向きません。

増やし方は、株分けするか種まきをします。晩春から初夏に種をまきますが、根茎をあじわうフローレンス種は秋に種をまくと、翌5月ごろには大きくなった根茎をさっそく楽しめます。その場合は、小さな苗の冬越しがポイントです。こぼれ種でも増えます。

太陽が大好きなので、発芽したら間引いて十分に日をあててあげましょう。密植させないように20センチは株間をはなして、根茎を見事にふくらますように育てます。肥料は、元肥として緩効性の肥料を土に混ぜ込んでおきます。秋まきの場合は3月に成長が始まるので、その前の2月中旬ごろ土の表面を少し耕して肥料を追肥します。ディルとは交配しやすいので、近くに植えないように。

葉、茎はいつでも収穫できます。根茎はふくらんだ根際からまるごと収穫してたっぷりお料理に使ってもよいですし、一枝ずつかき取って収穫すれば長く楽しめます。種は熟してから集めて乾燥します。種を熟させるには太陽の光をたくさんあててあげましょう。葉は乾燥させるか冷凍保存します。

庭からつみとったばかりのフェンネルの葉は、ハードタイプのチーズにのせてそのまま食べてもおいしいし、レタスしかないときのサラダに散らすだけで見た目もお味もぐっと引き立ちます。是非育ててみてくださいね。

※このコラムは、毎日新聞社さんのサイトに「ハーブの横顔」という題で、2002~2005年に掲載させていただいたものです。


カテゴリ: ハーブの横顔  |  0 Comments
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