小学校のときの自由研究で、雑草のスケッチをした。道ばたの雑草を小さなスケッチブックに色鉛筆で描いて、図鑑で名前を探した。自由研究のあとは学校の行き帰りも雑草が気になって、名前がわかるからなおさら楽しかった。
そんな子どもの頃にこの本に出会っていたら、こんな植物の観察のしかたもあるんだな、名前の由来って面白いんだな、原産地も知ると想像が広がるな、雑草にも効能があるんだな、など、もっと早くに植物の持つさまざまな面白さに開眼して、植物博士を目指していたかも。いや、スケッチという手段ではなくて、写真に興味を持ったか。
この本は、右に写真、左に文章と、すべて1種類の『草』について見開きでまとまっている。言葉が少ないようでいて、とても多くのことを語り教えてくれる。
植物の写真は、切ったり抜いたりしたものを、カメラの前に連れてきて撮っている。一番きれいに、そして、一番その草らしい姿で。全草(根は除いたとしても)の写真を撮るのは、土に植わったままの自然な姿が一番なのかなと思っていた、特に雑草は。でも、こんなふうに撮るのも素敵なんだなと気づいた。
子どもの頃に出会ったら、と書いたけれど、これは立派に大人向けの本。bluemarkの菊地さんによる素敵な装丁の本。
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