厄除けのお守り 「チャイブ」

2011年6月13日

チャイブの花淡く紫がかったピンクの丸い花がかわいらしいチャイブ。キッチンガーデンの彩りに加えたいハーブのひとつです。中が空洞になった細い葉は、ネギのような刺激的な香り。その香りのとおり、ネギ属の植物です。ニラ、ナガネギなどのネギ類、エシャロット、タマネギ、ニンニクと同じ仲間で、和名ではエゾネギ。

チャイブの歴史は古く、古代からお料理や薬用に使用されていたそうです。それをヨーロッパに持ち帰ったのがマルコ・ポーロ。13世紀頃のことです。たいへん気に入った彼は、帰国してからもしばらくこのハーブに夢中だったそうです。

チャイブのハーブチーズ■ チャイブの利用法と効能

チャイブの葉には、食欲をうながし、胃腸の働きを促進する効果や、殺菌効果があります。その効果と風味を生かした魚料理が紀元前1000年以上前の中国のレシピに残っており、また、中国では止血剤や解毒剤としても民間療法で使われているそうです。

たしかにチャイブを使ったお料理は風味がよく、食欲を促してくれますね。タマネギとは異なり、繊細なチャイブの香りは長い時間火を加えるお料理には向きません。フレッシュなまま刻んで使います。

卵やじゃがいも料理、スープ、サラダ、ソースなどに加えるとぐんとおいしくなります。刻んでバターに練りこんで冷凍しておくと重宝します。オムレツやスクランブルエッグ、お魚や鶏肉のソテーの仕上げにひとかけ加えると風味がよくなります。クリームチーズにレモン汁少々とともに練りこんだハーブチーズも、簡単なのにとてもおいしいです。たくさんのお客さまがみえるときに、クラッカーやフランスパンを添えておいておくと、いつのまにかなくなってしまいます。

チャイブ■ チャイブの育て方

鉢を置く場所、植える場所は日当たりのよいところに。少々半日陰でも大丈夫です。発芽もしやすいので、種をまいて育てるのも楽しいハーブです。発芽したばかりは、とても細い細い苗なので、大切に扱ってあげましょう。株が大きく育つまで、そして花が咲くまでは1年待つことが必要。すぐにお料理に利用したい方は、苗での購入をおすすめします。

苗を購入したら、葉が細く風や雨で倒れやすいので何株分かまとめて、水はけがよく湿り気のある土に少し深めに植えつけます。チャイブは地下茎がどんどん分球して増え、だんだん株が大きく育ってくるので3~4年ごとに株分けします。5月の終わりごろから葉がしげって大きく生長します。この時期には肥料を欠かさないようにして、その後夏の間は1ケ月に一度追肥します。

大きく育ったら根元を5cmほど残して刈り込んで収穫すると、また新しい芽がたくさん伸びてきます。ただし、翌年に花を咲かせたい場合は、間引き収穫しましょう。

夏の間に気をつけなければいけないのは乾燥です。強い西日の当たる場所を避けて少し涼しい場所に置き、水切れしないよう気をつけます。根元をマルチングしてあげるのもよいです。

冬は、関東地方程度の寒さなら戸外で冬を越せます。2月ごろには株元から新しい芽がたくさん出てくるので、わくわくします。

バラの近くにチャイブを一緒に植えると黒点病を防ぐ効果はご存知の方も多いですね。ほかにも知られている、チャイブのコンパニオンプランツとしての役割をご紹介。ニンジンやトマトのアブラムシを防いだり、キュウリなどのうどん粉病を防ぐ効果もあります。おうちにリンゴの木をお持ちの方は、根元にチャイブを植えるとカイガラ虫と腐敗病を防ぐそうです。

※このコラムは、毎日新聞社さんのサイトに「ハーブの横顔」という題で、2002~2005年に掲載させていただいたものです。

カテゴリ: ハーブの横顔  |  0 Comments
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